「あなたは何色の人ですか?」
こう尋ねられたら、どう答えますか?
多くの人は、「好きな色」「似合う色」「よく着る色」などを思い浮かべるでしょう。
ですが、私がここで問いかけたいのは、「あなたが“どう記憶されたいか”という視点で選ぶ色」のこと。
色は、視覚情報の中でも特に記憶に残りやすい要素です。
言葉ではなく、イメージで。そして一瞬で人の印象に残ります。
だからこそ、ビジネスやコミュニティの中で「自分らしさ」をどう伝えるかを考える時、強力なツールとなるのです。
ここで有力なのが「キャラ色」という考え方。
今回は、「キャラ色」と「すっぴん色」という相対する考え方を使いながら、あなたの魅力を最大限に伝えるための“色の使い方”を深掘りしていきます。
“色の選び方”が、自分らしさの伝え方になる時代
すっぴん色は“本音の色”──でも、それだけでは足りない
私がよく使う言葉に、「キャラ色」と「すっぴん色」というものがあります。
すっぴん色とは、まさにすっぴんのような、自分の自然な状態からにじみ出る色のこと。いわゆる「自分らしさ」と呼ばれるものに直結していると考えることもできます。
「ありのままの私…」というフレーズに惹かれる人が多いことは承知しています。けれども、ビジネスシーンとなると注意が必要です。
ビジネスやコミュニティという“外の世界”で私たちが活動する時、その場には必ず「他者」が存在します。
自分以外の誰かがいるというだけで、すでに「比較」や「印象」というフィルターがかかります。
つまり、ただ「自分らしい色」だけを使っていても、伝えたいことが相手に届かなければ、意味がないのです。
そこで必要になるのが、戦略的に設計された「キャラ色」。
これは、伝えたいイメージ、相手に届いてほしい印象を考えたうえで選ぶ“振る舞いの色”です。

ビジネスという外の世界では“伝える意図”が必要です。
色づかいも同じです。
色で“魅力を爆推し”するという視点
キョンキョンのオレンジ色に見る、色の説得力
テレビドラマ『続・続・最後から二番目の恋』を観ていて、小泉今日子さん(キョンキョン)が着ていたタンジェリン・オレンジのブラウスに目を奪われました。
オレンジは、元気で闊達で、エネルギーを感じさせる色。
まさに「THE キョンキョン」の魅力が凝縮されたような色使いで、思わず「やっぱりキョンキョン、かわいいなぁ」と心を奪われてしまいました。



ドラマの衣装にはもちろん役作りの意味もあるはず。 でも、それを超えて「個としての小泉今日子さん」のキャラがあの色にぴったり!と思いました。
誰にでもある、「この人の色」という印象
では、オレンジ色は「キャラ色」として正解?
……答えは、当然「NO」です。
私たち一人ひとりに、似合う色、映える色、そして“らしさ”を伝えてくれる色があります。
他人の成功パターンを真似するだけでは、自分の魅力は伝わりません。
だからこそ、自分にとっての「魅力を爆推ししてくれる色」は何かを探し、選ぶことが重要なのです。



「自分らしさ」は、素顔だけじゃ伝わりませんよね。
「私を一番推してくれる色って何?」と、自分に問うことが大切です。
“記憶の装置”としての色
ポジショニングとしての色選び
プライベートなら、「好きだから」「落ち着くから」という理由で色を選んでも、もちろんOK。
でも、ビジネスではそうはいきません。
なぜなら、そこには「ライバル」がいるから。
商品でも、サービスでも、あるいは個人の専門性でも、誰かに選ばれるということは、「他と比べられたうえで、記憶され、想起され、選ばれた」という状態に他なりません。
つまり、あなたが「誰かの記憶に残る」ためには、色にも明確なポジショニングが必要ということ。
たとえば、周囲がナチュラル系のベージュやグレーを使っている場面で、自分がターコイズブルーを選ぶ。
または、全員がパステルカラーを使っている業界で、あえてシャープなブラック×ホワイトで自分を表現する。
こうした“色による差別化”は、第一印象に残る強力な武器になります。



「他の人と一緒で安心…」というマインドは、ここでは足を引っ張ります。要注意!
自分の魅力を「爆推し」してくれる色を見つける
「あの人が似合うから私も」という単純な話ではありません。
一人一人が持つ魅力は異なります。特に50代女性は、それぞれが異なる人生経験を持ち、独自の価値観や強みを築いてきました。
大切なのは「自分の場合、どんな色が魅力を爆推ししてくれるのか?」を考えること。
若い頃から使ってきた色にとらわれず、今の自分に合った色を探してみましょう。
それは必ずしも流行色や派手な色である必要はありません。落ち着いた色でも、一貫性を持って使うことで強い印象を残せるのです。
カラープランの第一歩はリサーチから
ライバルを見なければ、自分の色は決められない
色選びというと、「自分の内面に向き合う」作業に思われがちですが、実は「外を見ること」も同じくらい重要です。
・自分と同じ市場には、どんな色があふれているのか?
・その中で、自分はどう見られたいのか?
・逆に、どんな色は埋没しやすいのか?
こうした問いを持ちながら、競合のリサーチを行うことで、自分だけのポジションを見出すことができます。
色は「戦略的に使えるもの」です。
それは、センスや感覚に頼らなくてもいい、誰もが設計可能な“思考のツール”なのです。



キャラ色=「選ばれる人」になるための知的戦略です。
キャラ色を見つける3つのステップ
すっぴん色を知る
まずは、家庭でリラックスしている時に自然と手に取る色、心地よく感じる色をメモしてみましょう。それがあなたの「すっぴん色」です。



この色は、あなたの本質的な部分を表しています。
あなたの強みを書き出す
次に、あなたのビジネス上の強みは何か考えてみましょう。「丁寧さ」「確かな技術」「豊富な経験」「寄り添う姿勢」など、具体的に3つ挙げてみてください。



これらの強みをどんな色で表現できるか想像してみましょう。
業界のカラー傾向をリサーチする
最後に、同業他社がどんな色を使っているか調べてみましょう。そして、あなたの「すっぴん色」と「強み」を考慮しながら、業界の中で目立つ独自の「キャラ色」を決めてみてください。



「このジャンルでは、何色が多い?」
そんなリサーチが、あなたを“印象に残る人”に変えてくれます。
まとめ:自分を伝えるために、色を選ぶ
自分のためだけに選ぶ「すっぴん色」と、相手に伝えるために選ぶ「キャラ色」。どちらも大切ですが、ビジネスでは戦略的な「キャラ色」が必要不可欠。
50代女性の私たちは、若さこそなくとも、長年の経験から生まれる深みと品格があります。
それを色で表現することで、若い世代にはない魅力をアピールできるのです。
控えめな性格でも、色があなたの代わりに主張してくれます。好きな色から一歩踏み出して、「伝える色」の世界に踏み出してみませんか?
あなただけの「キャラ色」が、ビジネスの新たな可能性を開くでしょう。



ビジネスやコミュニティの中で「選ばれたい」と思うなら、まずは「思い出してもらえる人(想起)」になることが必要です。
そして、記憶と想起に貢献してくれるのが“色”なんですよ!

