「パーソナルカラーという言葉はよく聞くけれど、本当のところ何なの?」「カラー診断なんて意味あるの?」そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
このパーソナルカラー、具体的にどんな理論なのでしょうか? また、私たちの毎日にどんなメリットをもたらしてくれるのでしょうか?
このブログでは、パーソナルカラーの基本的な考え方から、実際の効果まで、分かりやすくお伝えします。
100年近くも続いてきた考え方ですから、きっとあなたの生活にも素敵な変化をもたらしてくれるはずです。
パーソナルカラーとは?基本的な考え方とトレンド理由を徹底解説
パーソナルカラーは単なるトレンドではなく、長年の研究と実践に裏付けられた色彩理論です。
グーグルの検索窓で「パーソナルカラー、、、」と入力すると、「パーソナルカラー 当たる」「パーソナルカラー診断 違った」などの言葉が見つかります。
「当たる(当たらない)」などと言われると、なんだか曖昧で根拠がないようにも思えてしまいますよね。
個人的には、「パーソナル(個人的)」という表現も誤解を招きやすいと思っています。
「個人的な色って、ファッションに限ったものではないはずなので…」
ですが、パーソナルカラーは約100年もの歴史をもつ色彩理論です。
まずは先入観を持たずに、パーソナルカラーについて、全体像を捉えてみませんか?
「本当に私に必要なもの?」「価値はある?」といった判断は、正しい知識を身につけてからでも遅くありません。
きっとあなたなりの「パーソナルカラーとの付き合い方」が見えてくるはずです。
- パーソナルカラーの定義
- パーソナルカラーを選ぶための専門的な方法
- なぜ今、パーソナルカラーが注目されているのか
まずは、この辺りからスタートさせましょう(^^)/
パーソナルカラーの定義
私たちの肌や髪、瞳の色は、生まれつき一人ひとり違います。だから似合う色も違うのです。
例えば、日焼けのしやすさや、頬のピンク色の出方、指先の血色まで、それぞれ違った特徴をもっています。
この肌の色・髪の色・瞳の色・血色などの身体的特徴と調和する色を「パーソナルカラー」と呼んでいます。
「好き」という主観的な基準で選ばれるのではなく、専門的な方法を使って「肌映りの善し悪し」という観点から色選びをします。そのため、パーソナルカラーで選んだ色は、必ずしもあなたの好きな色とぴったり合うわけではありません。
でも、あなたの生まれ持った肌色や髪の色に合う色を身につけることで、いきいきとした表情が引き立ち、若々しく魅力的に見えるようになります。
そのため、「私に合う色選びの方法」としてパーソナルカラーを取り入れる方も大勢います。
「日本人は似たり寄ったりで、それほど違いはないのでは?」と思われる人もいるかもしれませんが、私たちの色も実に多彩です。
まるで指紋のように、一人ひとり個性に溢れています。
パーソナルカラーを選ぶための専門的な方法
パーソナルカラーを選ぶ時は、専用のカラーシステムを使います。カラーシステムには図と布があります。
一般的に色の図というと、図工や美術の教科書で見かけた「色相環(しきそうかん)」を思い出される方も多いのではないでしょうか。あの丸い輪のような図です。
色相環には色々な種類がありますが、ここでは、虹のグラデーションが丸い輪になったもの、という感じでOKです(^_-)
右側の「トーン図」とセットで覚えた人も多いのでは?
パーソナルカラーのための図
パーソナルカラーでは、全く別の図を使います。
パーソナルカラーシステムの図にも色々な種類がありますが、基本的な考え方は同じです。
数多くの色を、上の図のようにグループ群に分類しているということです。
代表的な分類は「春」「夏」「秋」「冬」ですね。
上の図の場合は
BRIGHT=春
SOFT=夏
DEEP=秋
VIVID=冬
になります(^^)/
暖色⇔寒色といった分類方法でもなく、明るい⇔暗いといった分類方法ではありません。
黄み(イエベ)⇔青み(ブルベ)というアンダートーンで分類しています。因みに、この「黄み」と「青み」というのは「黄色」「青色」とは違います。
黄み(イエベ)の寒色系もあれば、青み(ブルベ)の暖色系もあります。
これがパーソナルカラー理論が「難しい…」「曖昧な感じ…」と言われる理由にもなっているようですね。
初めて聞くと、「青みの黄色?」「黄みの青色?」ってなるのでは?
「春」「夏」「秋」「冬」の色味の特徴をもう少し詳しく知りたい人は、こちらの記事の中で資料をお配りしています。よろしければ!
パーソナルカラー図の中にあるグループの数は、今のところ2〜16程度。このグループ分類について解説すると、少し難しくなるので、今回は割愛させてくださいね。
ポイントとしては、図工や美術の教科書では学ばなかった種類のカラーシステムを使っているということです。
学校で習った色彩の話とは、全然違うね~
最近では、生活科や総合学習のカリキュラムで、パーソナルカラーを学ぶ人も増えているみたいですね〜
パーソナルカラーのための布
パーソナルカラー診断というと「布宛て」をイメージされる人も多いのでは?
図と布はセットです
布の色は図の中にある色です。だから、図と布はセットです。
この布を顔の下にあてた時に、お顔やお肌が綺麗に見える布を選び出すのが、パーソナルカラー診断です。
大抵の場合、布にはグループ名のラベルが貼られていますから、結果として、沢山選び出されたグループが、その人のパーソナルカラーグループということになります。
なぜ今、パーソナルカラーが注目されているのか
パーソナルカラーがトレンドとなる理由は、時代によって違っています。
近年、特に注目を集めている背景として、「効率的な着こなし」へのニーズの高まりを感じます。「効率」を求める理由は、世代によって違っているのだろうと思います。
例えばアラフィフ世代。年齢とともに肌の色や質感が変化し、若い頃と同じように好きな色を着こなせなくなっている実感をもっています。
その一方で、若い世代であれば、「コスパ」「タイパ」などの現実的な理由が加わっているかもしれません。
このような人たちにとって、パーソナルカラーを使った色選びの方法は、無駄な買い物を減らし、より効果的なファッション選びができるようになると期待されています。
また、「自分らしさ」を大切にしながら、同時に「他人からの印象」も気にする場合であれば、自己表現と効率的な消費の両立を可能にする手段として支持を集めていると考えることもできるでしょう。
「ファッションやメイクの参考にしたい」という現実的なニーズが増えているようです。
もちろん、このような「似合う色を知りたい」という要望は、最近始まったものではありません。私が30年前にパーソナルカラー診断を始めた時から、多くの方が同じ理由で診断を受けに来られていました。
しかし、当時と現在で大きく違うのはSNSの存在です。
InstagramやTwitterなどのSNSで、誰もが気軽に情報や体験を共有できるようになりました。そのため、パーソナルカラーへの関心が一気に高まり、大きなトレンドになったのだと考えています。
Google Trendsで「パーソナルカラー」と入力するとこんな感じです。
個人的には、1980年からの流れを見てみたい!
パーソナルカラーの効果とは?メリット・デメリットを徹底解説
パーソナルカラーがもたらす3つの大きなメリット
大きなことから小さなことまで、メリットを数えれば片手では足りないのですが、ここでは特に大きな3つのメリットをお伝えします。
- 魅力的な印象をつくることができる
- 買い物の失敗を減らすことができる
- 自分に自信をもつことができる
何をメリットと思うかは、人それぞれです。
あくまで私が感じるメリットとしてお読み下さればと思います。
メリット①:魅力的な印象をつくることができる
パーソナルカラーを取り入れる1つ目のメリットは、好印象を与えやすくなることです。
自分に合った色を身につけると:
- 肌のくすみやシワ、クマが目立ちにくくなります。
- 顔色が明るく、若々しく見えます。
- 健康的で元気な印象を与えることができます。
このような効果は、仕事上の大切な場面でも活かせます。例えば、商談や面接などで、より信頼できる人物だと感じてもらいやすくなるでしょう。
好印象の他にも、疲れた印象に見せることもできるんですよ〜
おサボりしたい時などの裏技、、、かな(^_-)
メリット②:買い物の失敗を減らすことができる
パーソナルカラーを知ることで得られる2つ目のメリットは、賢い買い物ができるようになることです。
今までは「気に入った」「流行している」という主観的な理由で洋服を選んでいたかもしれません。しかし、「この色は自分に似合うのか」という客観的な視点が加わることで、より冷静に選べるようになります。
特に、年齢を重ねるにつれて似合う色・似合わない色の差が目立ってきます。そのため、次のような使い分けができるようになります:
- 長く使うアイテム → パーソナルカラーを重視
- 流行のアイテム → 好きな色やトレンドカラーを楽しむ
このように、用途によって選び方にメリハリをつけられるため、後悔の少ない買い物ができます。
張り切って買ったのに結局着なかった…ということが確実に減ります!
メリット③:自分に自信をもつことができる
パーソナルカラーの3つ目のメリットは、自己肯定感を高めてくれることです。
「流行しているから」「人気インフルエンサーが着ていたから」という理由だけで服を選んでいると、自分らしさを見失いがちです。特に、そのおすすめの服が自分に似合わない場合、「私は何を着ても地味だ」「おしゃれになれない」と自信を失ってしまうことがあります。
なぜこうなるのでしょうか。それは、他人の基準で自分を判断しているからです。
一方、パーソナルカラーは、あなたが生まれながらに持っている個性に基づいています。自分に合った色を知ることで
- 自分らしさを再発見できます
- 明るく活き活きとした印象で魅力をアップさせます
- 自分の個性を肯定的に受け止められます
つまりパーソナルカラーは、おしゃれの判断基準を「他人」から「自分」へと変えてくれる、大切なツールなのです。
生徒さん達を見ていると、これが1番強かったかな〜という印象です。
パーソナルカラーを知ってしまったゆえのデメリット3つ
パーソナルカラーについて、メリットばかりを説明すると、逆に不自然に感じられるかもしれません。そこで、正直に気をつけるべき点や注意点を3つご紹介したいと思います。
- 好きな色と一致するとは限らない
- 似合わない色が分かってしまうことで、着る服に制限をかけてしまう
- 「似合うから…」の一択で思考停止になる
何がデメリットになるかも、人それぞれですが、自分としてのデメリットを把握しておくことも大切だと思っています。
デメリット①:好きな色と一致するとは限らない
パーソナルカラーのデメリットの1つ目は、「似合う色」が必ずしも「好きな色」とは限らないということです。
例えば、秋の風景に見られるような深みのあるアースカラーが大好きな方が、実は春の草花のような明るく華やかな色が似合うと診断されることがあります。
このギャップは予想以上にショックが大きく、心が落ち込んでしまう方もいらっしゃいます。そのため、「せっかく診断を受けたのに、結局好きな色しか着ない」という方も少なくありません。
私も大いに落ち込みました(^_^;)
経験上「好きと似合うの一致率は50/50」と感じています。
「一緒だったらラッキー!」くらいに思っておくのもいいのかも(^_-)
全てはコーディネート次第ですから(^^)/
デメリット②:似合わない色が分かってしまうことで、着る服に制限をかけてしまう
パーソナルカラーの注意点の2つ目は、似合う色を知ると同時に、似合わない色も分かってしまうことです。
色には、お互いに影響し合う性質があります
実際には、色以外の要素でカバーすることは可能です。例えば、、、
- デザインや形を工夫する
- 素材を変える
- 似合わない色を小物に使う
などなど。
しかし、「この色は似合わない」という思い込みが強くなりすぎると、チャレンジする機会を自分で制限してしまうこともあります。せっかくの素敵なアイテムとの出会いを逃してしまう可能性もあるのです。
気に入った色だけれど、顔映りがイマイチだった場合でも、私はボトムスや小物などに積極的に取り入れています。全身で見ると、結構な割合で使うことができるのでオススメです。
デメリット③:「パーソナルカラーだから…」の一択で思考停止になる
パーソナルカラーの注意点の3つ目は、服選びの楽しさを失ってしまう可能性があることです。
「似合うと診断されたから」 「パーソナルカラーの色だから」 という理由だけで選んでしまうと、本来のファッションの醍醐味である
- 「この服が素敵!」という感動!
- 「着てみたい!」というワクワク感!
- 「好き」という純粋な気持ち!
これらが置き去りにされてしまうことがあります。
パーソナルカラーは、あくまでもファッションを楽しむための道具の一つ。ルールにとらわれすぎず、自分の気持ちも大切にしながら活用することが大切です。
実は、この理由から「パーソナルカラー診断をすることが、果たしていいことなのか…」と悩んだ時期もありました。
パーソナルカラーの歴史:時代とともに進化した信頼性
パーソナルカラーは、近年の「ブルベ」「イエベ」ブームで注目を集めていますが、1900年代初頭から研究され、約100年もの歴史がある色彩理論です。
時代とともに注目度の波はありますが、長い間、多くの方に支持され続けてきた事実があります。
美術教育から始まり、ファッション、ビジネスへと発展してきた歴史的背景を知ることで、なぜパーソナルカラーが現代でも重要視されているのか、その理由が見えてきます。
▼1920〜30年代:ドアやイッテンらにより、理論の原型が生まれる
「パーソナルカラー」のルーツには諸説あります。
有名なものとしては、ロバート・ドアの「カラー・キー・プログラム」とヨハネス・イッテンの「色彩論」です。
ドアの「カラー・キー・プログラム」は、建築・インテリア分野を中心に、産業デザインや工業デザインなどで重用されたと言われています。
美術教育者であったイッテンは、学生たちが無意識的に自分の肌の色や髪の色と調和する色を選ぶ傾向があることを発見しました。
これらの概念が、現代のパーソナルカラー理論の基礎となっています。
パーソナルカラーのルーツについては、日本色彩学会パーソナルカラー研究会でも発表されました。ご興味ある方はご発表担当者のサイトでご覧いただけますよ!
▼1960年9月:アメリカ大統領選挙でのエピソード
パーソナルカラーを学ぶと必ずといっていいほど聞かされる話ですから、ご紹介をしたいと思います。
1960年のケネディ・ニクソン討論会では、興味深い現象が起きました。討論を「ラジオで聴いた人」と「テレビで見た人」では、全く異なる評価をしました。
ラジオでは両候補の支持率に大きな差はありませんでした。しかし、テレビではケネディ候補が圧倒的な支持を集めました。
この討論会でケネディ候補が着用していたスーツの色が、彼の魅力を一層引き立てたと言われています。
この時期はちょうどカラーテレビが普及し始めた頃でした。それまでの白黒テレビの時代と違い、政治家のイメージ作りにおいて「色」が重要な要素として注目されるようになったのです。
ケネディ候補のスーツの色がパーソナルカラーだったかはともかく、これ以降、ビジネスファッションにおいて、カラー&イメージの効果が重用されるようになったとのことです。
アメリカは他民族国家だから、肌も瞳も髪も、多種多様の個性を持っていますよね。生まれ持った色が違うことをリアルに認識できるから、自分にマッチする色も、一人一人違うということを、すんなり受け入れられたのではないかと思っています。
▼1950〜80年代:ドアやイッテンの理論の実用化⇒ファッション業界での実用化と普及
1950年代〜80年代にかけて、当時のカラーコンサルタントによって、ドアやイッテンの理論が実用化されました。
特に「カラーミー・ビューティフル」の出版は、パーソナルカラーを一般に広める大きなきっかけとなりました。この時期に、現在でも使用される「春夏秋冬」の分類方法が確立され、より多くの人々が自分に似合う色を客観的にに選べるようになりました。
春の色、夏の色、秋の色、冬の色、、、と季節に例えることで、誰でも簡単にイメージすることができ、理解しやすかったのが良かったようです。
▼1980年代 パーソナルカラー日本上陸〜社員教育として広まる
パーソナルカラーが日本に紹介された時期についても諸説ありますが、ここでは第一回目の「パーソナルカラーアナリスト養成講座」とされる1983年としました。
日経新聞でも募集広告が掲載されたという「パーソナルカラー養成講座」。受講料は100万円だったとか。
私の恩師は、この100万円講座の第二回目を受講したとのことです。
これ以降、接遇・販売・営業などを担当される方々への社員研修のプログラムとして採用されるケースが増えていきました。
「よい印象を与える色の選び方」と主旨です。当時は、身だしなみや印象管理の一環として取り上げられていました。
▼2000年代:ビジネスシーンでの活用拡大
2000年代に入ると、パーソナルカラーはビジネスの場面でも注目されるようになります。
特に就職活動やビジネスシーンでの印象管理ツールとして重要視されるようになりました。面接や商談など、重要な場面で好印象を与えるための戦略として、多くの企業がパーソナルカラーコンサルティングを導入し始めたのもこの時期です。
私の記憶では、伊勢丹新宿店は1999年にはサービス開始をしていたと思います。「就職活動用のリクルートスーツを選ぶための、パーソナルカラー診断サービス」という新聞記事を覚えています。
▼2010年代後半〜今日まで:ブルベ・イエベのネーミングとマッチングアプリで話題に
2015年頃からは、若い世代を中心に「ブルベ・イエベ」として再び話題になってきました。マッチングアプリやSNSなどのツールも後押しして、誰でも気軽にパーソナルカラーを楽しむようになっています。
パーソナルカラーは今や、美容やファッションの世界で当たり前の存在になっています。
例えば、デパートや化粧品専門店のコスメカウンターでは、「ブルーベース(ブルベ)」「イエローベース(イエベ)」という分類が一般的になりました。
また、ZARAやUNIQLOなどのファストファッションブランドでも、「あなたの肌タイプに合わせたコーディネート」というような提案が増えています。
このように、パーソナルカラーは私たちの日常的な買い物シーンに深く浸透するまでに広まりました。
歴30年としては、なかなか感慨深いものがあります(*^_^*)
ざっとまとめるとこんな感じです
時代によって注目度は変化しますが、パーソナルカラーの本質的な価値と役割は変わっていません。普遍的で実用的な理論だからこそ、世代を超えて受け継がれていると言えるでしょう。
SNSで話題になったり、美容雑誌で特集が組まれたり…。
アンチがいるのも事実ですが、なんだかんだと気になる存在、、、
それが「パーソナルカラー」だと思っています(^_-)
パーソナルカラーには科学的根拠があるのか?
「パーソナルカラーは本当に科学的なの?」この質問は、私がこの仕事を始めてから30年近く、常に投げかけられてきました。
この問いに対して、私は以下の立場からお答えしたいと思います。
- 30年間実際にパーソナルカラーに携わってきた実践者として
- 日本色彩学会などの研究発表を長年追ってきた者として
率直な考えをお話ししたいと思います。
その前に「科学的であるための基本的な条件」についてAIに尋ねました
ググるタイミングでAIの回答は違うと思いますが、今回はこのように答えてくれました。
科学的であるための基本的な条件には、次のようなものがあります。
- 問題に対する仮説が観察・実験等により検討できること(実証性)
- 同一条件のもとでは同一の結果が得られること(再現性)
- 導出した結論が事実に基づき客観的に認められること(客観性)
ポイントとなるのは※2「同一条件のもとでは同一の結果が得られること」と、※3「結論が事実に基づき客観的に認められること」かと思います。
パーソナルカラー診断における再現性とは?
パーソナルカラーの科学的根拠を考えるとき、まず重要なのが「再現性」です。
つまり、
- 同じ場所で
- 同じ時間帯に
- 同じドレープ(布)を使って診断すると
- 同じ結果が得られる
という条件が揃えば、それは科学的な信頼性があると言えるでしょう。
この再現性を確保するために最も重要になるのが、診断する人の技術力です。パーソナルカラーの判定には、熟練した分析者の目と経験が必要不可欠なのです。
熟練者が集まれば、同じ結果を得ることは可能だと思っています。
パーソナルカラーの結論が客観的に認められるためには?
パーソナルカラー診断が科学的と言えるためには、その診断結果の信頼性が重要になります。
具体的に言えば、診断結果が、
- 診断者の主観によって左右されない
- 結果を客観的に説明できる
- 誰が見ても同じ変化を確認できる
これらの条件を満たすことが必要です。
①「診断者の主観によって左右されない」と、②「結果を客観的に説明できる」については、熟練者であれば可能でしょう。難しいのは、③「誰が見ても同じ変化を確認できる」です。
専門的に色を見ることに慣れていない場合は、プロのように顔映りの変化を確認できないこともあります。
「似合う」の感じ方も、人それぞれだったりします。
科学的根拠とするために必要な課題
現時点では、パーソナルカラーアナリストが使用するドレープ(布)に統一規格はありません。値段もピンキリです。値段がピンキリということは、精度もバラバラということになります。
また、パーソナルカラーアナリストになるためのトレーニング時間も、スクールによってバラバラです。
「診断によって結果が違った、、、」という声の原因は、ほとんどがこの理由によるものです(>_<)
そもそも、色の世界には大きな特徴があります。それは「人によって見え方が異なる」という点です。
例えば、
- 同じ赤色でも、人によって微妙に違って見える
- 照明によって色の印象が変わる
- 隣り合う色によって見え方が変化する
そのため、色彩学では「色を正確に扱うためには機械による測定が必須」という大原則があります。測色機を使って数値化することで、はじめて客観的な色の把握が可能になるのです。
それ以外の方法では、どうしても主観的な判断が入り込んでしまい、正確性を欠く可能性があります。これが色彩学における科学的アプローチの基本なのです。
色の世界は、とてもデリケートで曖昧なんです。
パーソナルカラーには科学的根拠があると断言するのは難しい
「パーソナルカラーは科学的根拠に基づくものではなく、経験則に基づくもの」これが私の考えです。
厳密に言えば、パーソナルカラーは科学的根拠に基づくものではありません。むしろ、長年の実践から得られた「経験則」だと考えるべきでしょう。
つまり、
- 数多くの診断結果を積み重ね
- 「この特徴がある人には、この色が似合う」というパターンを見出し
- そこから導き出された「似合う色の傾向」
を体系化したものなのです。
これは、科学的な厳密さとは異なりますが、多くの観察と実践に基づく有用な知見と言えます。
現時点での私の考えです。
パーソナルカラー研究は現在進行形ですから、状況によっては考えが変わるかもしれません。その時は、お伝えしますね!
経験則としてのパーソナルカラーには、充分な論拠がある
科学的根拠があると言えないことと、パーソナルカラーは無意味かということは、全くの別のことです。
経験則って「私たちの知恵のデータベース」と思っています!
活用する価値は十分にあるよね〜
顔色と服の色の相互作用:色彩学の観点から
色には不思議な特徴があります。隣り合う色同士は互いに影響し合い、見え方が変化するのです。「色の対比効果」と呼ばれる色彩学の基本原理です。
パーソナルカラー診断では、この原理を応用しています。だからこそ、あなたの肌を最も美しく見せる色を見つけ出すことも可能になってくるのです。
年齢とともに変化する似合う色
加齢により、肌のハリや透明感は変化していきます。20代、30代に似合っていた色が、40代、50代で同じように似合うとは限らないのです。
パーソナルカラーの知識があれば、年齢による肌の変化に合わせて、自分に似合う色のトーンを適切に選べるようになります。
かみいの結論!
- パーソナルカラーには科学的根拠はないかもしれない。けれども、私たちの色づかいをセンスアップさせるには十分すぎるほどの経験則をもっている。
- パーソナルカラーには確かに長所も短所もある。しかし、総合的に見ると、パーソナルカラー診断を受けることには大きな価値がある。
【まとめ】パーソナルカラーの有用性・実利性・可能性
今回のブログでは、パーソナルカラーの価値や信頼性について、定義や歴史などから解説しました。
ポイントのおさらい
- パーソナルカラーは90年以上の歴史を持つ色彩理論で、特に1980年代からファッション分野で実用化され、現代では経験則に基づいた診断方法として確立されています。この長年の実績が、パーソナルカラーの信頼性を支えています。
- 私たちの肌の色・瞳の色・髪の色・血色など、一人ひとり違った色味を持ち合わせています。そのため、その顔色にフィットする人も、一人ひとり違っている、というのが、パーソナルカラーの基本的な考え方です。
- 近年パーソナルカラーがトレンドとして注目されている理由として、単なる色選びの基準以上の価値に、気づいた人が増えたことがあります。コーディネートの効率が上がり、無駄な買い物が減り、新しい組み合わせにも挑戦しやすくなるなど、おしゃれの楽しみ方が広がります。
- 40代、50代は肌の変化により、若い頃と同じ色使いでは思うような印象が得られにくくなる時期です。パーソナルカラーの知識は、年齢による変化に合わせた色選びのガイドラインとして、とても有効な役割を果たします。
- パーソナルカラーは「好きな色を否定する」ものではなく、むしろ「似合う色の選択肢を増やす」ためのツールです。TPOや目的に応じて、好きな色と似合う色を使い分けることで、より魅力的なスタイリングが可能になります。
- 「好きな色」と一致するとは限らないパーソナルカラー説得材料として用いられる「科学的根拠」ですが、正直なところ「科学的」とするのは難しいところもあります。ですが「経験則」としての知見は、十分に蓄積されています。
パーソナルカラーについては、「とても役立つ」という方もいれば、「あまり信用できない」という方もいらっしゃると思います。
今回の記事を通じて、
について理解を深めていただけたのではないでしょうか。
この記事が、パーソナルカラーについての疑問を解消し、より良い判断の材料となれば嬉しいです。
最後まで、お読みくださりありがとうございました。